大判例

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東京高等裁判所 昭和30年(け)5号 決定

本件異議申立の要旨は、弁護人は昭和三十年二月七日被告人より同人に対する窃盗被告控訴事件の弁護人として選任を受けたものであるから、刑事訴訟規則の定むところにより、当然控訴趣意書の差出最終日の通知を受くべきであつたのに、右通知を受けなかつたので、控訴趣意を陳述する機会を失し、昭和三十年三月四日東京高等裁判所より控訴棄却の決定を受くるに至つた。然るにこれは所轄裁判所の責に帰すべきことで、被告人並びに弁護人の到底承服できないところであるから、原決定の取消を求むるためここに異議の申立に及ぶと云うにある。

そこで被告人に対する窃盗被告事件(当庁昭和三十年(う)第一一五号事件)記録を調査すると、原審は昭和三十年一月二十日に控訴申立人である被告人に対しては控訴趣意書差出最終日を同年二月二十三日とする通知書を弁護人選任に関する通知書と共に送達しているが、その後同年二月十日に至つて原審に弁護人選任届を提出した右弁護人に対しては、右最終日の通知をしていないことは所論の通りである。然し、刑事訴訟規則第二百三十六条第一項が、控訴申立人に弁護人があるときは、弁護人にも控訴趣意書差出最終日を通知しなければならないとしているのは、最終日指定当時既に選任されている弁護人があるときはその弁護人にも最終日を通知することを要するとした趣旨と解すべきであるから、原審が、右の如く控訴趣意書差出最終日の指定後に選任届を提出した右弁護人に対して最終日を通知しなかつたことは当然であり、本件異議の申立は理由がない。

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